いま国会は止まっています。
「野党が審議拒否をしている」と批判する方々もいますが、ここまでに至るには理由があります。
そもそも今国会は、それほど荒れる要素はありませんでした。
なぜこれほどまでに荒れているのか。
理由を時系列でまとめると
①
通常国会冒頭で衆議院解散。この日程で解散すれば、本予算の成立が遅れて国民生活に支障が出るため、野党は反対していた。しかし、高市総理は冒頭解散を実行して圧勝した。
その結果、得票率は有効投票の過半数に満たないものの、現行の小選挙区比例代表並立制の選挙制度のもと、議席数は2/3以上を獲得。
これにより、仮に法案を参議院で否決しても、衆議院で2/3以上の賛成があれば法律として成立させることができる。いわば高市総理は、その気になれば、どんな法律も通すことができる「無敵の力」
を手に入れた。
②
令和8年度予算案は、衆議院解散のため通常より約1ヶ月遅れて審議入り。当然、例年通りの審議をやれば年度内成立は不可能。
しかし、高市総理は「年度内成立をお願いする」と言い始め、衆議院では与野党の合意なく委員長職権で会議の開催を決定し、例年より極めて少ない審議時間で衆議院を通過。
③
参議院は少数与党なので与野党で合意を取りながら審議を進めた。年度内成立はできなかったが、暫定予算には与野党ともに協力し、国民生活に支障が無いように配慮。
例年よりも審議時間が短いことを踏まえて、毎月一度の予算委員会の集中審議を開催することを条件に野党も予算案の採決に合意。4/7に政府案の予算が成立した。
なお、党首討論の開催についても、4月5月6月で一回ずつ開催することも与野党合意。
ちなみに、予算委員会の集中審議とは総理入りの審議のこと。特定の議題について集中的に審議する、という意味ではありません。ましてや、中傷動画問題のみを取り上げて質疑をしているわけでもありません。
④
4月の党首討論は開催されず。会期が7月まであることから、5月以降毎月一回開催することで与野党合意。
なお、予算委員会の集中審議は開催されたものの、衆参ともに3時間ずつという短時間開催。
⑤
5月は党首討論が開催された。一方で予算委員会の集中審議は開催されず。野党は引き続き予算委員会の開催を要求。翌月へ持ち越し。
⑥
6月は党首討論は開催されず。予算委員会の集中審議は開催されたものの、衆参ともに3時間ずつという短時間開催。
⑦
7月の日程協議において、与党から、党首討論、予算委員会集中審議とも開催しないことを通告される。
⑧
衆議院において、比例定数削減、副首都法案が与野党の合意なく、与党の委員長職権で審議入り。
⑨
今国会における予算委員会の集中審議時間は、石破内閣の49時間と比べて、高市内閣においては15時間30分と極端に少ない。
これが審議拒否に至るまでの経過です。
審議拒否をしているのは、果たしてどの党なのか。
与野党合意していない、衆議院の比例定数削減と副首都法案で得をするのは誰なのか。
いま日本は、議会制民主主義が破壊される瀬戸際に来ています。だから野党は、全力で反対しています。
いまの高市内閣は、衆議院で2/3の議席を持っていますから、その気になれば、あらゆる法律を通すことができる「無敵の力」を持っています。
問題はその権力を、国民のために使うのか、それとも、自分たちに都合よく制度を変更するために使うのか。
皆さんには、よく見ていただきたい。
日本の議会制民主主義は、いままさに、皆さんの目の前で、公然と破壊されようとしているのです。